住宅ローンの事前審査

注文住宅としてマイホームを新築しようとする場合ですが、たいていは年収の何倍もの請負金額になってしまうため、自己資金だけで新築というのはかなり困難がともなうものです。そこで、自己資金から注文住宅の請負金額の何割かを捻出するものの、その残りは銀行などの金融機関から住宅ローンとして借り受けるというのが一般的であるといえます。
この場合、正式な審査の前段階として、事前審査を申し込む必要がありますので、申し込み用に必要事項を記載して、銀行側に提出します。用紙に記載する事項としては、住所、氏名といった基本となる情報はもちろんのことですが、ほかにも家族構成、勤務先と勤続年数、年収の金額、資金計画などといったことがらも含まれます。

その意味ですが、住宅ローンというのは何十年もかかってはじめて返済が完了するものですので、勤務先や年収などから返済能力が十分であるかどうかを判断したり、資金計画から無理な借り入れになっていないかどうかをチェックしたりするわけです。申告されたことがらが正しいことを補強するための添付資料として、会社から受け取った源泉徴収票や給与明細書、自営業であれば確定申告書の写しか納税証明書、その他運転免許証などの身分証明書、注文住宅としてどのようなものを新築するのかがわかる図面や契約内容の資料などといったものの提出を求められることもあります。

事前審査は基本的には形式審査に近いものですので、通常であれば数日、遅くとも1週間程度もあれば、銀行側からの回答があるはずですが、不明な点があった場合は後日照会があることもあります。また、事前審査にあたっては、同意書を提出させられた上で、過去、現在の他の金融機関や消費者金融などからの借り入れなどの有無が調べられることがありますので、あまりにも借金の金額が多い場合や、過去に滞納をしていたり、自己破産などの手段で借金を帳消しにした事実があった場合には、住宅ローンの借り入れが認められないということがありますので、注意をしておいたほうがよいといえます。

さらに、事前審査はあくまでも正式審査の前段階であって、事前審査をパスすれば、かならず正式審査のほうまでもパスできるということを保証するものではありません。正式な審査の段階で、さらに返済能力などが詳細にチェックされた結果として、一転して融資不可という結論となってしまうこともありますので、事前審査の書類は虚偽や誇張をまじえずに書くことがたいせつです。